福祉ネイルに活かせる職業とその可能性とは
現在福祉ネイリストとして活動している方たちの中には、元々ネイリストとして働いていた方ももちろん多くいますが、医療や介護・福祉の現場で働いていた方、全く違った業種から資格を取得した方など様々な背景を持った方たちが集まっています。そして、その方々の働き方は様々で、福祉ネイリスト一本で働いている方、副業として活動している方もいます。様々な背景や資格、経験をしてきた方だからこそ発揮できる福祉ネイリストの可能性がそれぞれ存在します。一部、ある職業の方が福祉ネイリストになった場合に活かせることをご紹介させていただきますので、もし、自分が福祉ネイリストになったらどんなことができるだろうか?そんなことも考えながら、読んでいただけたらと思います。
目次
福祉ネイリスト×ネイリスト
ネイリストとして働いていて、福祉ネイリストの資格を新たに取得する方、あるいは、福祉ネイリストの資格取得をきっかけに、その他のネイリストの資格を取得し、ネイルサロンを開いている方もいらっしゃいます。
福祉ネイリストの講習の際、基本的なネイルケアやネイル技術に関しての実技を含めた講習もあります。そしてもちろん、お客様に施術する際には、爪をキレイに、細かなアートを描いたりと技術が必要となる仕事でもあります。元々ネイリストとしての技術や経験がある方は、それだけ高齢者・障がい者であるお客様に感動や驚き、喜びを与えることができるのです。
福祉ネイリスト×美容師
美容師としてヘアカットやヘアケア、メイクなどの仕事をしていた方で、福祉ネイリストの資格を取得した場合、美容のトータルサポートをすることができます。最近では、介護施設に訪問してヘアカットをする美容師も増えてきています。その中のメニューにネイルを加えることができたならば、お客様はさらに喜んでくださり、指先だけではなく、お顔も、髪の毛も、全身でキレイに整えるお手伝いができるということです。
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福祉ネイリスト×看護師
最近では、看護師の資格を持っている、あるいは実際に現場で働いている方で福祉ネイリストの資格を取得する方が増えてきています。福祉ネイルを対象とする高齢者や障がい者の方の身体の状態や病状を看護師は理解することができ、正しい対応をその場で行うことができます。
例えば、爪や皮膚の病気を患っている方に気がつき、適切な報告を医師に行うことができたり。また、心臓の病気を抱えていたり、長時間座る姿勢をとることが難しい方に対してネイルを施術する際に、顔色や状態の変化にすぐ気がつくことができます。患者様や利用者様であるお客様の身体の状態や症状を見ながらネイルを施術できるというのは、お客様にとっても、任せるご家族・現場スタッフにとってもとても安心材料となります。
福祉ネイリスト×介護福祉士
介護や福祉の現場で一番身の回りのお手伝いをしているのが介護福祉士です。利用者さんの生活パターンや好みを理解しやすく、誰よりも自然に利用者様の心をつかんでお話ができると思います。身近な存在として、自然と手をふれあい、労わりながらネイルを施術し、見た目でも、精神的にも癒しと感動を与えられる可能性を秘めている職種なのです。
福祉ネイリスト×ケアマネージャー
ケアマネージャーとは、利用者様の病気や障がいを理解し、体の状態・性格・生活をトータル的にサポートする職業です。生活をサポートするためには、利用者様本人だけではなく、ご家族様との関係性や想いまでもを理解し、サポートしています。
この利用者様にネイルが必要か、ネイルをすることによってどんな変化が期待できるのか、ご家族が望むことなどを一番理解し、予測することで、福祉ネイルとの橋渡しができる職業だと思っています。
まだまだ福祉ネイルというものが周知されていない世の中で、本当に必要としている方やそのご家族に福祉ネイルを届けるためには、その方々に一番の信頼を得ているケアマネージャーの方に福祉ネイリストという資格を知っていただき、資格取得を目指していただくことは大変心強いのです。
福祉ネイリスト×作業療法士
高齢者や障がい者の方のリハビリを行う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の中で、作業療法士と言語聴覚士は認知症の方のリハビリも専門として行っています。
その中でも作業療法士は、その方にとっての“意味の作業”を通して、生活面でのリハビリや社会復帰、その人らしさを取り戻すためのお手伝いをする専門職です。福祉ネイルでは認知症の治療的介入として回想法という手法を取り入れながらネイルを施術します。
その回想法をより理解し、ネイルを用いて治療的介入ができる一番の専門職なのではないかと期待しています。リハビリの中でも園芸療法や音楽療法、化粧療法なども取り入れられている中に、ネイルでの介入が『彩爪療法』として取り入れられる日を待ち望んでいます。
福祉ネイリスト×臨床心理士
福祉ネイルでの介入では、爪がキレイになることによる喜びの他にも会話や心理的安定の目的も秘めています。そこで、相手はどんなことを望んでいるのか、どういう言葉かけをすることで相手に良い効果を見出すことができるのかを一番理解し、引き出すことができるのが臨床心理士だと思います。
福祉ネイリストとしてネイルというツールを使いながら自然と喜びや安定を与えられる、お互いの資格の強味を最大限生かしながら発揮できる職業だと思います。
福祉ネイリスト×営業職
福祉ネイルはまだまだ知らない方も多く、全国にいる福祉ネイリスト一人一人が訪問させていただける施設に営業をかけて、訪問先を開拓していかなければなりません。
まずは、その営業活動が上手くいかなければ、福祉ネイリストとして利用者様にネイルを施術することもできないのです。だからこそ、福祉ネイルというものがどういうものなのか、どういう効果があり、どういう関わりをさせていただくのか、わかりやすく伝える力が必要なのです。
営業職として、そのノウハウと経験をもっている営業職の方が福祉ネイリストの資格を取得し、活動していっていただければ、福祉ネイルを全国に広めていく突破口に必ずなってくれるはずです。
福祉ネイリスト×主婦
主婦の方が新たな挑戦として福祉ネイリストの資格を取得する方も多くいます。福祉ネイリストの働き方は自分で決められるため、家事や子育ての合間に自分のペースで活動することができます。
そして、主婦の方は福祉ネイルが一番の対象とする高齢女性の気持ちに一番寄り添うことができる方だと思います。生活の話や家事、子育ての話、旦那さんの話など、共感しながら温かい時間の中でネイルを提供できる強みを持っているのです。
そして、ちょっとした困りごとや生活について「気づくことができる」人が多いと思います。その強味を活かしながら自分のペースで福祉ネイリストとして活動していってほしいと願っています。
福祉ネイリスト×教師
福祉ネイルでは、精神障がいをお持ちの方や発達障がい、就労のための作業所にも訪問し、ネイルを施術させていただきます。そういった方に、ネイルをさせていただく意味、社会性を広げていったり、教育的な関わりのためにはどういった関わりをした方がよいか、というノウハウを教師の経験を持っている方は活かせると思います。ただ、ネイルを施術するだけではない、福祉ネイリスト×教師としての可能性は今後期待すべき分野だと考えています。
まとめ
福祉ネイリストという仕事は、今後まだまだ発展していく職業です。今までの自分の経験やもっているスキルを活かして、どんな方に福祉ネイルを提供したいか、どのようになってほしいかを自分でも考えながら進めていける職業なのです。
これまでに述べた職業だけではなく、福祉ネイリストに活かせる職業は無限にあると思います。だからこそ、やりがいの大きいこの福祉ネイリストという仕事を本業としてや副業として挑戦し、新しい自分の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。まだ見ぬ福祉ネイリストの可能性を一緒に開拓していきましょう。