大阪府大阪市【かがやきデイサービス平野南第二】様で福祉ネイル
高齢者を専門とするネイルサービス「福祉ネイル」を利用者様サービスのひとつとして導入されている【かがやきデイサービス平野南第二】様へ福祉ネイルの訪問取材にいってきました。
こちらの施設様では2018年ごろから月に一度の定期訪問で用命いただいております。2年前から用命いただいていることもあって施設のどのような場所で施術されているのか?
リピートしていただいている利用者様の様子はどうか?など注目してご覧ください。
目次
施設の特徴
大阪府大阪市平野区にある【かがやきデイサービス平野南第二】様は通所・宿泊・住宅などさまざまなサービスを提供されています。今回はデイサービスを提供されている施設へ約1時間の訪問です。
住所 |
〒546-0022 大阪府大阪市東住吉区住道矢田8-6-3 |
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施設名 | かがやきデイサービス平野南第二 |
TEL | 06-6760-6360 |
FAX | 06-6760-6361 |
営業日及び営業時間 | 月~土 9時30分~17時30分 |
施術場所はにおいが気になる人のために浴室で
本日施術をおこなうのは大阪市在住のこちらの福祉ネイリスト
施設へ入るとまずは検温。コロナウィルスなど感染症対策をおこなっているとのこと。日本保健福祉ネイリスト協会でも感染症対策マニュアルを全福祉ネイリストへ配布し対策をおこなっております。
こちらの施設様ではネイル溶剤から出るにおい対策に浴室を利用して換気しておられます。
イス・テーブルはお借りしていますが準備は施設様にお手伝いしていただくことはなく、自身でおこないます。
1人目はリピーターの利用者様
「こんにちは鈴木さん!(仮名)2週間前に来たんですけど覚えてらっしゃいますか?」
鈴木さん「うーん、おぼえていないわぁ(笑)」
「実は前にも来てるんですよ~。さっそく消毒からはじめますね~。」
始まる前は無表情になりがちで少し前のことはあまり覚えていらっしゃらない様子。しかしカラーを選ぶときには真剣な表情になりどれにしようか悩んでおられます。
爪の長さをやすりで整えている最中に
ボカシをいれてもわかるくらいのこの笑顔。照れくさそうにしています。さっきまでの無表情がウソみたい。手に触れ、会話をし、肯定的な言葉をかけることで利用者様の気持ちは前向きになります。
2人目は酸素吸入器をつけながらも歩いてブースまで来て下さった利用者様
2人目は酸素吸入器をつけたお客様。手を引きながらではありますが歩いて来てくれました。うれしい限りです。
前回も利用された利用者様で爪にはまだ水性ネイルが残っていました。
水性ネイルは本来1日程度で色が落ちてしまうかわりに、においが少ないといった特徴の溶剤。ですがこちらのお客様は大切にされていたのか2週間以上も爪に残っていました。
ですのでまずは消毒と一緒に前回のネイルを落とす「オフ」から始めます。
「さあ色も取れました。今回はどの色にしましょうか?田中さん(仮名)は爪キレイですね?みんなから言われませんか?」
田中さん「言われるねん(照)」
「ですよね!ならどれでも似合いますよ!ほらこっちの色なんかもかわいい!」
田中さん「あら、ほんとや。ならこの色にしようかなぁ」
一方的な会話になってしまったらつまらないのでなるべく利用者様が話したくなるように会話をすすめます。
塗っている間も会話はしっかりつなげます。
チューブなどにお気遣いいただきながらも福祉ネイルを受けたいとブースまで来ていただき大変うれしいです!ありがとうございます!
3人目はリピーターの利用者様
こちらはハキハキとお話される利用者様。
こんな感じでカラーも決定。今日のおやつはなんだろうか~など会話をすすめているうちに
明るいピンクがお似合いですよ!
4人目は認知症を患っている利用者様
先ほどまでの流れと同じでベースコート、カラーの順で塗り、満足されて席に帰っていかれました。
--本田さん、先ほどの利用者様との会話で少しチグハグに感じたり、僕が話しかけると少し怒っているのかな?と感じる部分があったのですが……なにか悪いことしましたでしょうか?
「なにも悪いことされていないですよ。先ほどの利用者様は認知症を患っていて見知らぬ人には不安を抱くんだと思います。2年前に私が来たときは突然席を立たれたり、ネイルを塗ったその場から剥がしてしまうようなこともありました。」
--そうだったんですか!
「それでも徐々にネイル溶剤を取ってくれたり私のお手伝いをしてくれるようにもなってきて、こちらのお話も聞いてくれるようになり、さらに笑ってくれるようにもなって……」
--それってかなりスゴいことじゃないですか!?
エビデンス(科学的根拠)はありませんがネイルにはこのような不思議な力があります。日本保健福祉ネイリスト協会では吉備国際大学の佐藤三矢准教授と協力し福祉ネイルが認知症の改善に繋がるのではないかと日々研究を続けております。
5人目もリピーターのお客様
上田さん「おまかせするわ」
ベースコート、カラーと塗っていき完成が近づくにつれこの表情。
ここまで全てのお客様が笑顔になっていただけ本当にうれしく思います。こちらのお客様も満足げに席へ帰って行かれました。
まとめ
もちろん最後も自分たちで片付けて帰ります。そしてスタッフ様へごあいさつをして施設を後にします。
ピンクが流行っているのか、明るくいつまでたっても乙女のままで、という本田さんの思いからか本日はピンク系が多めでした。特に意図したわけではないですが利用者様にあわせて接客した結果、たまたまピンクが多くなってしまったようです。
福祉ネイリストは会話の内容に気をつけています。利用者様へ「今度私たちが来たときに家族からネイルについてどんな反応あったかおしえてくださいね」とお願いをすることがあります。このようにお話することで得られる以下のメリットがあります。
①ネイルを塗っている間だけでなく後ほどの家族とのコミュニケーションになる。
②ネイルをしていたことを思い出したりすることで脳が活性化する。
③今度訪問させていただいたときに家族とおしゃべりして楽しかったことを話していただいたりすることでQOLの向上や認知症のリハビリに繋がる
このように私たちは考えております。認知症状の改善に力をいれている施設様がいらっしゃいましたら私どもを活用していただけると幸いです。