第3回研究集会及び第6回福祉ネイリストアワードが開催されました
2012年に高齢者に向けたネイルサービスとして始まった福祉ネイルの活動。
今や高齢者だけでなく、病気や障がいを抱えながらも懸命に生きている方など、万人が輝きある人生を送れるようサポートするために、全国では1,400名を超える福祉ネイリストたちが誕生しています。
福祉ネイルが始まってちょうど10年目を迎えた2022年の3月19日に、一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会主催の第3回研究集会及び第6回福祉ネイリストアワードがオンラインにて開催されました。
今回の研究集会及び福祉ネイリストアワードの結果や裏側など、福祉ネイリストの想いを交えながらご紹介させていただきます。
コロナ禍でオンライン同時開催となった研究集会及び福祉ネイリストアワード
一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会では、毎年研究集会と福祉ネイリストアワードというものが開催されております。
今回研究集会は第3回目を迎え、福祉ネイリストアワードにおいては、第6回目の開催となります。
日本初のネイルに関する研究集会は、福祉ネイリストが中心となり、日頃ネイルケアを通じて感じているお客様の変化や創意工夫などを客観的に調査・研究し、ネイルの可能性やその効果の根拠を示す場です。
福祉ネイリストアワードとは、全国で活躍している福祉ネイリストの日頃の活動や想いを発表し、称える場となっています。
【研究集会及び福祉ネイリストアワードについて詳しくはこちら】
そんな研究集会と福祉ネイリストアワードですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、昨年度より2年目のオンライン開催となりました。
今回は、300名を超える方が視聴してくださり、福祉ネイリストだけに限らず、保健福祉領域の発展に賛同される多くの方にその有志や活動を届けることができる機会となったのではないでしょうか。
研究集会では13演題が選出、発表
第3回を迎えた研究集会では、当協会の学術顧問であります吉備国際大学理学療法学科准教授の佐藤三矢先生、そして作業療法士でありながら福祉ネイリストの坂本将德さんからの助言をいただきながら、13演題が発表されました。
今回の演題の中には、彩爪介入に関する研究やコロナ禍における福祉ネイルのアンケート調査、ネイルだけに留まらず福祉美容に関わる事例検討など、様々な演題が選出されました。
学会賞は、協会全体で取り組んだ彩爪介入プロジェクト
発表された13演題の中で、最も学術的価値が高いとされるJHWN学会賞を受賞したのは、14名もの福祉ネイリストたちが一丸となって取り組んだ彩爪介入プロジェクトチームの演題でした。
【演題名】
パイロットスタディ;認知症高齢者を対象として「彩爪介入」を用いた「回想法の効果検証」を目的とした取組み
実際施設に福祉ネイリストが訪問し、約3ヶ月間回想法を用いたネイル介入を実施した結果をデータ化し、解析・考察したものを発表されました。
協会賞は異例の複数受賞
福祉ネイル現場において今後の発展への寄与度が高い演題に送られる協会賞は、今回異例の4名が受賞しました。
- 木嶋沙綾香さん
【演題名】コロナ禍で訪問困難となった施設や利用者との繋がりを継続させる取り組み
~福祉ネイルニュースレター送付を行なった施設職員へのアンケート調査~
- 平井理沙さん
【演題名】地域おこし協力隊としての活動による地域での福祉ネイルの普及
- 内海紀公子さん
【演題名】国際大会に出場しているスポーツ選手におけるネイルの有用性に関する研究
~競技者と指導者におけるネイルに対する意識調査を通じて~
- 古賀麻美さん
【演題名】「想起ネイルシール」を用いた回想法ネイル研究
~コロナ禍における新レクリエーションツールの可能性~
第3回研究集会の抄録集はこちらから購入可能です。
福祉ネイリストアワードに6名がノミネート
そして、第6回目の開催となる福祉ネイリストアワードには、今回6名の福祉ネイリストたちがノミネート。
コロナ禍で施設訪問が難しい状況が続いたこの一年。どんな想いで福祉ネイリストになり、活動し、これまで歩み続けてきたか。
活動地域も、資格取得してからの年月も異なる6名それぞれが、福祉ネイルに対する熱い想いをもって伝えてくれました。
ノミネートされた6名の発表動画を視聴し、全国の福祉ネイリストたちが最も心動かされた一人に投票することでグランプリが決定します。
グランプリは介護士として働く福祉ネイリスト
今回そのグランプリに選ばれたのは、千葉校に所属する髙橋奈緒さんです。
髙橋さんは、有料老人ホームで介護士として働きながらコロナ禍に福祉ネイリストの資格を取得しました。コロナ禍で特に高齢者施設においては外部との接触が制限されている中でも、ご自分の勤務する施設にて、現場の介護士として働く髙橋さんだからこそネイルを通じて寄り添える方法を模索してきたそうです。
グランプリ受賞後のインタビューでは、これからも介護士であることを活かし、福祉ネイルを通して癒し・元気・希望をお届けしたいと想いを伝えてくださいました。
今後日本保健福祉ネイリスト協会が目指すこと
福祉ネイルが誕生して10年が経ち、全国各地で福祉ネイルの活動が広まりつつあります。
一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会では、介護・福祉の場に“美容”が当たり前に存在し、人生100年時代と言われるかけがえのない時を明るく楽しいものにしていける一助となれるよう、福祉ネイリスト一人ひとりが志高く活動していきます。
また、研究集会においては、今後医療・福祉領域におけるネイルに関するエビデンスの構築を目指し、ネイルを通して社会に貢献してまいります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症が蔓延してからのこの約2年間、福祉ネイリストたちも訪問の自粛や活動の制限を余儀なくされました。
そんな中でも、福祉ネイリストたちの想いは消えることなく、「コロナがあったからこそ生まれた工夫や気づき」が今回の研究集会や福祉ネイリストアワードに繋がっていたのではないでしょうか。
今後も研究集会や福祉ネイリストアワードは続いていきます。
美容サービスを通じて生活に彩りを放ち、万人が輝きある人生を送れるよう、全国の福祉ネイリストたちの活動が今後益々広がっていくことを願っております。