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介護福祉士×福祉ネイリスト 福祉ネイルとの出会いで私の日々が色づいた

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高齢者や病気・障がいをお持ちの方など、ネイルサロンに来ることが難しい方の元へ出張訪問し、ネイルサービスを行う福祉ネイリストという職業。日本保健福祉ネイリスト協会では、2023年5月現在で全国に1700名を超える福祉ネイリストたちを輩出しています。

そんな福祉ネイリストという職業は、働き方やこれまでの経歴など多種多様です。今回は、介護福祉士として介護の現場で働きながら、福祉ネイリストとしても活動する2足のわらじを履く髙橋奈緒さんに実際の働き方と福祉ネイルについての想いを伺いました。

 

プロフィール

髙橋 奈緒(たかはし なお)

    • 千葉県流山市在住。現在は26歳の息子と21歳の娘との3人暮らし。
    • 福祉ネイリストとしては、千葉県東葛地区を主に活動範囲としている。

2006年:介護士として特別養護老人ホームに勤務
2015年:介護福祉士の資格を取得
2017年:現在の職場である協栄江戸川台年金ホーム ヴィラナチュラにて勤務
2019年:ネイリスト検定各種取得
2020年:福祉ネイリスト取得
2022年:第6回福祉ネイリストアワード グランプリ受賞

毎日が楽しいと思える働き方。介護福祉士と福祉ネイリストのダブルワーク

髙橋さんへのインタビュー時の様子

Q1.福祉ネイリストとして活動されながら、介護福祉士としても勤務されているんですよね?どのような働き方なのでしょうか?

現在は千葉県流山市にある高齢者・シニア向けの有料老人ホーム(協栄江戸川台年金ホーム ヴィラナチュラ)で介護福祉士として正社員で勤務しています。また、2019年にネイリスト技能検定各種を取得し、介護福祉士の仕事の他に休日や休暇を利用して自宅でネイルサロンを営んでおります。福祉ネイリストとしては現在勤務している施設に入らせていただいたり、イベント出店が主な活動です。

勤務先の有料老人ホームで介護福祉士として働く髙橋さん

夜勤もあるシフト制なので、夜勤明けの日や休日を利用してネイリストや福祉ネイリストの仕事をしています。

髙橋さんの1週間のスケジュール例

Q2.忙しい日々ですね!大変ではないですか?

いえ、むしろ毎日が楽しいです。仕事が休みのときはやりたいことがたくさんあり、「休みだから休もう」ではなく、「休みだから行動しないともったいない!」という気持ちが強いです。

お客様とお話をすることも楽しいですし、ネイルは自分が作る作品だと思っています。ですので、お客様の指先を彩って喜んでもらえることが私にとっても嬉しいんです。

 

Q3.元々行動派な性格だったのでしょうか?

いえ、真逆でした。福祉ネイリストになる前の私は、ネガティブ思考で何事にもやる気がない、すぐ言い訳を言う、ただ漠然と毎日を過ごしていました。

ネイルも自分自身で楽しむ程度のセルフネイルはしていてネイリストに興味はありましたが、「ネイルスクールに通うお金もないし」「時間もないし」なんて言い訳を言っているだけだったんです。

そんな私が、今の職場で働き、いろんな方との出会いときっかけの中で福祉ネイリストという資格に出会い、何かしたいなと思うことがあれば「一歩踏み出そうかな、やってみようかな」と思えるようにこの年になって変わってきました。

 

仕事のやりがいを高められる福祉ネイリストというもう一つの肩書

コーラス仲間の方々へネイル施術をした際の写真

Q4.髙橋さんが福祉ネイリストになろうと思ったきっかけを教えてください

ネイリストに興味があった私に「とりあえずネイルスクールに行ってみたら?」と職場の友人が背中を押してくれました。それから、娘の成人式の時に、私がネイルをしてあげたいという目標ができ、ネイリスト検定を受けていったんです。

そんな中で、東京ケアウィークというイベントが東京ビックサイトであり、「日本保健福祉ネイリスト協会の荒木理事長と日本ネイリスト協会の仲宗根会長が専門セミナーを開催する」との案内を見つけました。福祉ネイルという言葉は耳にしていましたし、気になっていたんです。職場の上司に「この研修に行かせてください」と直談判をして、行かせていただきました。

そこで荒木理事長と仲宗根会長と直接お話をさせていただき、福祉ネイリストの資格も取得しようと決意したのがきっかけです。

 

Q5.福祉ネイリストとして活動していてよかったことはありますか?

以前、勤務している施設に入居されている女性の方で、酸素吸入をされている方がいらっしゃいました。その方は長時間起きていると呼吸が苦しくなってしまうので、ベッドで寝ていることが多かったのですが、昔よくネイルをしていたとお話してくださいました。私が「月1回福祉ネイルやっていますよ」とお伝えすると、「じゃあやってみようかな」と自室から出てきてくださいました。私はその方の状態を普段から見ていて理解していましたので、できる限り無理のない姿勢でネイルをしていただけるように私が視線と手元を下げて施術いたしました。とてもリラックスしながらキレイになった爪をすごく喜んでくださったのを覚えています。

このように、介護が必要な方にネイルをさせていただき喜んでいただける嬉しい出来事がたくさんありますが、福祉ネイリストとしての活動を通して、私はお客様だけでなく、本当に多くの方々に背中を押していただいています。

イベント出店時の様子

現在介護福祉士の傍ら、ネイリスト・福祉ネイリストとして仕事ができているのも、福祉ネイルの活動を理解し応援してくださった職場の同僚・上司がいるからです。私は福祉ネイリストとして、勤務している施設に入る際は、福祉ネイリストの一人として入らせていただいています。「入居者の方々にとって福祉ネイルを行うことでどんな良い効果があるのか」「どのような環境で行ったらよいか」など、社長に何度も企画書を出し、今ではどうしたらもっとお客様が来てくださるかと一緒に考えてくださっています。お客様だけでなく、ネイルをすることは爪の保護や働く意欲向上において介護職員にとっても良い影響をもたらすと私は感じています。それも社長に伝え、今では華美でなければ介護職員もネイルをしてもよいという職場となりました。介護の現場ではまだなかなか珍しいですよね。

勤務先の社長がネイル施術を受け、宣伝をしてくださったそうです

また、2022年に行われた福祉ネイリストとしての活動や想いを伝える場である第6回福祉ネイリストアワードにエントリーすることになった際、パソコンが苦手な私を息子と娘が一緒になってフォローしてくれました。周りの方々の協力をいただいて、グランプリを受賞できたことは私にとって大きな意味を持つ出来事でしたね。それから精力的に活動する私(母)を見て、子どもたちは「お母さん、楽しそうだね。いってらっしゃい」といつも笑顔で見送ってくれています。

このように、私が2足のわらじを履きながら福祉ネイルを通じてやりたいことに挑戦できているのは、周囲の方々のたくさんの協力があったからこそですので、みなさんに本当に感謝しています。

 

介護福祉士×福祉ネイリストはお互いの職業価値を高められる

勤務先でのイベント時の様子

Q6.髙橋さんが感じている介護福祉士×福祉ネイリストの可能性は何ですか?

介護福祉士も福祉ネイリストも高齢者の方に寄り添う職業ということで、掛け合わせていくと互いの職業価値をより高められるのではないかと感じています。福祉ネイリストはネイルサービスを通して高齢者の方に喜びや感動、笑顔を与える職業。そして介護福祉士は、介護が必要な高齢者の方の一番身近な職員として、日々ケアやコミュニケーションを行うプロです。

ネイルを施術する際に自然なコミュニケーションがとれたり、より負担の少ない介入の仕方に気がつけるというのは、普段介護の現場にいる介護福祉士だからこその強みだと思っています。そのことは、きっとネイルの与えられる効果を高めることに繋がりますし、介護福祉士としても自分のスキルを高めることにもなると感じています。

また、私たち福祉ネイリストが活動する介護現場(施設)に入らせていただく際に、現場スタッフの方々の協力は必要不可欠です。普段の施設生活では、生活サイクルが決まっていて、介護福祉士も限られた時間の中で仕事をしています。福祉ネイリストとして施設訪問をさせていただく際には、その生活サイクルを崩さないよう、現場にご迷惑がかからないように、現場スタッフの目線になって考えることもできます。

ですので、私は介護福祉士と福祉ネイリストという資格の掛け合わせは相性が良く、高齢者の方の一番身近な存在として活躍できるのではないかと思っています。

 

Q7.これからの目標があれば教えてください。

資格を取得した時は、コロナ禍で施設訪問や積極的に営業活動も行えない状況でした。そのため、私が勤務している施設で福祉ネイル活動を行うに留まらざるを得ない状況が続いていました。

しかし、そのような活動を続けていく中で、同じ職場の介護福祉士が新たに2人、福祉ネイリストの資格を取得してくれたんです。今は3人体制でチームとして福祉ネイル活動を行っています。まだまだ福祉ネイルを知らない方も多くいらっしゃるので、より多くの方に福祉ネイルを知っていただけるようになることが私たちの第一の目標です。そのために、福祉ネイルの効果や施術内容などを伝えるチラシ・看板を作成したり、イベント出店なども積極的に行っていきたいと思っています。そうしていく中で、訪問させていただける施設様が1件でも2件でも増えて、ネイルで笑顔になってくださる方を増やしていきたいです。

 

まとめ

全国の福祉ネイリストの中には、ネイリストや看護師、介護士、作業療法士などの医療介護職、はたまた全く業種の異なる仕事をしていた方や主婦の方もいらっしゃいます。

そんな中で、みな共通することは“高齢者の方や障がいを抱えている方々を笑顔にしたい!ネイルの力で癒しと元気、希望を届けたい”という想いです。

そして、そんな福祉ネイリストたちに話を伺うと、福祉ネイリスト自身がとてもイキイキとした表情で、「私たちがみなさんに元気をいただいています」と伝えてくれるのです。

今回インタビューをさせていただいた、髙橋奈緒さんもお話を聞いているだけで彼女自身の日々が輝いているのがよくわかりました。周囲の方々からの後押しや福祉ネイルとの出会いによって、その方の“生きる日々”が色鮮やかになっていく。それは、ネイルを提供するお相手だけでなく、福祉ネイリスト自身にも言えることなのかもしれません。

今後、そんな福祉ネイリストが日本各地で増えていくことで、笑顔の連鎖が繋がっていくこと、そして、やりがいを持って働いていける人々が増えていくことを願っています。

 

福祉ネイリストになりたい!という方はこちらをご覧ください。

髙橋 慶香(たかはし ちか)

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おじいちゃんおばあちゃんが大好きな作業療法士×福祉ネイリスト。その他、医療福祉系を中心としたWEBライターとしても活動中。モットーは「心が動けば体も動く」。

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