高齢者との会話に困らない話題8選!NGなネタや話が弾む会話術も紹介

高齢者の方に話しかける際、どんな話題やネタだと会話が弾むのでしょうか?
世代が違うとなかなか話が合わず、すぐに会話が終わってしまうなんてこともあるでしょう。
そこで本記事では、高齢者の方が好きな話題や会話に困った時のネタ、避けるべき話題について解説します。
また、話が弾む会話のポイントについても紹介しているので、高齢者の方との会話が続かないとお悩みの職員の方はぜひ参考にしてください。
目次
高齢者との会話のきっかけは?
「高齢者の方とコミュニケーションを取りたいけど、どのタイミングで話しかければ良いのかわからない」と悩む職員の方もいるのではないでしょうか?
そのような場合は、挨拶をきっかけにしてみてください。
すれ違った時や起床時、就寝前の挨拶など、1日の中で挨拶をするタイミングは意外と多いもの。せっかくなので挨拶だけで終わらずに会話に繋げてみましょう。
また、「何を話すか」ではなく「何を質問するか」ということを考えれば、相手のことを知ることができ、より良いサポートにも繋がります。
高齢者が好きな話題・ネタ4選
それではさっそく、高齢者の方が好きな話題やネタを紹介します。ここで紹介するものは、利用者様のことが知れる機会にもなるので、ぜひ会話に取り入れてみてください。
現役時代や子育ての話題・ネタ
昔を振り返るような現役時代の仕事や子育ての話題は、高齢者の方に好まれます。世代的に男性は仕事の話、女性は子育ての話だと自分からよく話してくれることが多いでしょう。
たとえば、仕事の話であれば「◯◯さんが現役の頃は、どんなことが大変でしたか?」などと会話をふってみましょう。すると、「毎日夜遅くまで残業してたが、成績は常にトップだった」など、誇らしげに話してくれるはずです。
また、子育てについて話題を振る場合は「子育てで悩んでいることがある」と相談するような形で話をふれば、子育ての先輩として喜んでアドバイスしてくれるでしょう。
このような話題はたとえ会話の相手が認知症の方であっても、過去の輝いていた自分のことは鮮明に覚えていることが多いので話が弾むこと間違いありません。
最近の趣味・好きなこと
好きなことやハマっている趣味に関する話題は、高齢者の方に好まれる傾向があります。とくにガーデニングや落語鑑賞、ドラマ鑑賞などは人気で、会話のきっかけづくりにも最適です。
とはいえ、趣味がないという方もいるかもしれません。そんな時は「最近参加したレクリエーションで楽しかったものはなんですか?」というように聞いてみると良いでしょう。
普段の活動から高齢者の方の得意なことや楽しんでいることを見つけて、会話のきっかけを作ってみてはいかがでしょうか。
高齢者の子ども時代の話題
子ども時代はだれにでもあるもの。懐かしい思い出話に花を咲かせる高齢者の方も多く、昔のことを思い出すだけでも笑顔になったりします。
利用者様に子どもの頃の話を引き出す際は、「どんな遊びをしていましたか?」「どんなアニメや歌が流行っていましたか?」と質問してみましょう。
すると、楽しそうにいろいろ話してくれるはずです。そして「その遊びのルールは難しいですか?私にも教えてください!」など、質問を続けたり教えてもらうことで、高齢者の方の脳への刺激にも繋がります。
ちなみに、会話の中で見つけた昔の遊びやテレビ番組の内容などをレクリエーションに取り入れてみると、とても喜ばれますよ。
テレビやニュースの話題・ネタ
ドラマやニュース、芸能人の話題は、身近なネタとして盛り上がりやすいのでおすすめです。まずは利用者様それぞれがどんな番組をよく見ているのか聞き出すところから始めましょう。
「昨日見た漫才がとても面白かったんですが、◯◯さんはお笑い番組見たりしますか?」と、すぐに質問するのではなく、自分のことを話してから聞いてみると相手も話しやすくなります。
すでに好みの番組や内容を知っている場合は、「◯◯さんが好きって言ってたドラマ、昨日が最終回だったんですね!どうなりましたか?」など具体的に質問してみてください。
好きなことについては話したくてウズウズしている人も多いので自然と会話が弾むはずです。
会話のネタに困ったときの話題4選
会話に困った際は、あらかじめネタや質問を準備しておくことがポイントです。ここでは、誰でも話が続きやすい話題・ネタを紹介します。
天気の話
天気に関する話題は定番ですが、話のきっかけづくりにはとても便利でおすすめです。
たとえば、朝の挨拶のときに「おはようございます。今朝はとても冷え込みますね。◯◯さんは寒さに強い方ですか?」と、質問を投げかけるようにしてみてください。すると「私は昔雪国に住んでいたのよ。だから寒さには強い方なの」などの返事が返ってくるかもしれません。
また、就寝前なら「こんばんは。今日はとても寒かったですね。明日の天気予報みましたか?」と、明日の天気について聞いてみましょう。すると「見ていないわ。明日も寒いのかしら?」と会話が続くはずです。
ただし、利用者様の中には外出が難しく天気や季節の変化を感じにくい方もいるので、そういった場合は気遣いが必要です。
たとえば、「こんにちは。今日はまだ肌寒いですが、桜が満開できれいですよ。桜は好きですか?もし体調がよければベランダから少し見てみますか?」と外の様子を伝えながら、どんなことに興味があるのかを聞き出してみましょう。
その日の出来事
話題に困った時は、その日にあった出来事を聞いてみるのもおすすめです。
たとえば、廊下などですれ違った時に「◯◯さんこんにちは。さっきのレクリエーション、皆さんが楽しんでいる様子を見て、つい私まで楽しんでしまいました。◯◯さんは楽しめましたか?疲れませんでしたか?」と、様子や体調を気遣いながら会話が続くように聞いてみましょう。
すると「私も楽しかったわ。でも私には難しい動きが多くて途中から腕が疲れてしまった。」と、教えてくれるかもしれません。
このように会話を通して、見ただけでは分からない利用者様の体調面・心理面の変化にも気がつくことができるでしょう。
行事やレクの話題・ネタ
介護施設で働いているのであれば、行事やレクリエーションの話題はいかがでしょうか。レクリエーションにおいてはほぼ毎日行われているので、自然と会話が広がりやすいでしょう。
たとえば「今日のレクは折り紙ですよ。◯◯さんって手先が器用ですよね。昔からそうなんですか?」と、褒めながら質問してみましょう。
すると、「昔は保育士をしていたからね。折り紙はよく折っていたのよ。」なんて情報が聞き出せるかもしれません。そこからまた会話が広がっていけば、話題に困るようなことはなくなるはずですよ。
また、季節のイベントがあるときなどは「明日は七夕祭りですね。私は短冊に書く願い事を決めましたよ。◯◯さんはもう考えましたか?」など話しかけるのもおすすめです。
食べ物の話題・ネタ
食べ物や料理などの内容も話しやすい話題です。その日の食事のメニューや好きな料理、おすすめのお店など話題が尽きることはないでしょう。
たとえば会話の切り口も、「今日のお昼ご飯完食されていましたね!◯◯さんは洋食が好きなんですか?」や「今朝はフレンチトーストですが、朝ごはんはパン派ですか?お米派ですか?」など、自然に話しかけられます。
また、高齢者の方の中には料理好きな人も多く、レシピや作り方を教えてもらうのもおすすめです。高齢者の方にとっても「誰かに何かを教える」ということ自体が脳や心に良い影響を与えるので、ぜひ会話に取り入れてみてください。
高齢者との会話で避けるべき話題・ネタ3選
利用者の方と親しくなれば、いろんな話をするようになるかと思います。そこで気をつけたいのが、避けるべき話題があるということ。ここでは、高齢者の方が不安になるようなネタを紹介するので、確認しておきましょう。
病気や死に関する話題・ネタ
高齢者の方は、若い人たちよりも病気や死を身近に感じています。とくに介護施設に入居している方のほとんどは、何かしらの病気やトラブルに悩んでいることが多いでしょう。
たとえば、有名人が亡くなった話や職員の知り合いの病気の話など、たとえ本人には直接関係がなくても、他人事とは思えずつらい気持ちになるかもしれません。
そのため、高齢者の方からそういった話題を持ち出さない限りは、病気や死に関する話題は避けるようにしてください。
他の利用者の話題・ネタ
高齢者の方で、他の利用者様の悪口や噂話をする人がいる場合は、絶対に同調しないようにしましょう。そのような噂は広まりやすく、施設内の人間関係が悪くなってしまう可能性もあります。
また、職員が利用者様同士を比べるような発言も絶対にしてはいけません。たとえば、レクリエーション後、Aさんに対して「Bさんは一人で上手にできていたんですよ。Aさんももっとちゃんとやってくださいね」など、誰かと比べることはやめましょう。
利用者様同士の仲が悪くなるだけでなく、高齢者の方の自尊心を傷つけてしまうことにも繋がるので気をつけてくださいね。
前回の続きの話題・ネタ
認知機能が低下している利用者様との会話の場合に限りますが、時間が経ってから前回の話の続きをするのはやめましょう。
「先日話した◯◯についてなんですけど…」と言われてもなんの話か思い出せず、自分の記憶力が悪くなっていることに強い不安を感じてしまうかもしれません。
また、記憶にトラブルのある高齢者の方は、同じ話を繰り返したり、昨日伝えた内容を忘れてしまうことがしばしば起こります。
それでも「その話は何度も聞きましたよ」や「前にも同じことを言いましたよ」は、絶対に言わないようにしてください。
高齢者との話が弾む会話のポイント
高齢者の方が好みそうな話題やネタだけでも十分に会話が弾むかもしれませんが、もっと楽しんでもらうためできることがあります。最後に、高齢者の方と話す際に押さえておきたいポイントを紹介します。
話し方を意識する
高齢者の方と話をする際は、「相手の話に興味があることを態度で示す」と「聞き取りやすいように話す」ということが大切です。
具体的には、次のことを意識してみましょう。
- 目線の高さを合わせる
- 頷きながら話を聞く
- 声のトーンを下げゆっくり話す
- はっきりと発音して話す
- 笑顔を忘れない
基本的に、話題を振ったあとは聞き役に徹します。会話が続くよう、相手の話をしっかりと聞き、合間で質問を投げかけたりすれば「自分の話を真剣に聞いてくれている」と嬉しくなって、おしゃべりが弾むこと間違いありません。
関連記事:高齢者とのコミュニケーションにおすすめの方法は?コツや注意点も紹介!
高齢者の考え方を否定しない
高齢者の方と話をしていると、以前に何度も聞いた話や、ネガティブな話になることがあります。しかし、決して否定や意見をするのではなく、まずは高齢者の方の気持ちに寄り添って共感するようにしましょう。
たとえば、利用者様に「もう体操のレクリエーションはしたくない」と言われたとします。そんな時は、「今日の体操はハードでしたよね。疲れましたよね。どんなことが嫌でしたか?」と、気持ちを受け入れた後に質問を投げかけるという流れがおすすめです。
高齢者の方も自分の気持ちをわかってくれたと安心しますし、利用者様がどんなことを嫌だと思っているのかも分かり、今後の介助に役立つはずです。
高齢者が喜ぶ言葉を知っておく
高齢者の方と会話をするときは、傾聴や話を引き出すことのほかにも、言われて嬉しくなる言葉を使うことが楽しく話すポイントの一つ。
たとえば、次のような言葉がおすすめです。
「お上手ですね」
「参考にしますね」
「教えてください」
「〜が得意なんですね」
「とてもお似合いです」
このような言葉は高齢者でなくても言われると嬉しくなりますよね。
自尊心が高まったり、自分の存在意義を感じられたりするきっかけにもなるので、ぜひ会話に取り入れてみてくださいね。
高齢者が好きな話題・ネタで会話を弾ませよう
高齢者の方が好みそうな話題やネタを知っておくことは、コミュニケーションを深める上で非常に重要です。とくに初対面の利用者様や、あまり喋ったことない方の場合は、その人を知るためにも、上手に話が引き出したいと思いますよね。
そんな時は、本記事で紹介した話題・ネタを参考にたくさん話かけてみてください。そして、できれば利用者様一人ひとりに合わせた話題を見つけて、より良い関係を築いていきましょう。
私たち日本保健福祉ネイリスト協会では、2012年の活動開始以来、福祉ネイルという美容を通じて、高齢者の方が輝きある日々を送れるようサポートしてきました。
高齢者の方にネイルを行う際は、回想法という「ご利用者様に昔のことを思い出していただく」会話を心がけており、ご本人様のアイデンティティの形成に繋がればと願っております。
なお、回想法を使うことは、ご利用者様だけではなくご家族様や施設職員の方への効果も期待できます。ご利用者様の話から個性・歴史・背景への理解を深め、かけがえのない存在として尊敬の念を抱くきっかけ作りにもなり、より質の高いケアへの意欲が高まるのです。
また、福祉ネイルでもっと多くの高齢者の方の笑顔が増えるよう、福祉ネイリストの育成や福祉ネイルの研究集会にも力を入れておりますので、「施設に美容サービスを導入したい」とお考えの際は、ぜひ日本保健福祉ネイリスト協会にご相談ください。
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