認知症におすすめのゲーム8選!1人〜大人数で楽しめるもの&注意点も紹介

認知症におすすめのゲーム8選!1人〜大人数で楽しめるもの&注意点も紹介

認知症の予防や進行を遅らせる手段の一つにゲームがあります。ゲームといってもスマホでできるものから、大人数で行うものまで様々。

そこで本記事では、認知症の方でも楽しめるおすすめのゲームを「チームプレイ型」「個人プレイ型」に分けて紹介します。あわせて、認知症の方にゲームをしてもらう際の注意点もまとめていきますので、認知症の方本人が楽しく続けられるゲームを見つけるためにも、ぜひ参考にしてください。

認知症の予防にゲームが良い理由

老人ホームやデイサービスの介護施設では、認知症の予防にゲームを積極的に取り入れています。ここでは、なぜゲームが認知症の予防に良いのかを確認しましょう。

脳の活性化に繋がる

認知症の予防や進行を遅らせるためには、脳を刺激して活性化させることが最も効果的だとされています。

そしてゲームには、脳を活性化させる要素が多く含まれており、ルールを覚えたり、推測したり、場合によっては体を動かすといった瞬発力が必要になることもあるでしょう。

また、考える・思い出す・体を動かすなど、動作によって刺激される脳の部分が違う点も、認知症の予防に良いとされている理由の一つです。

例えば、「考える」なら前頭前野、「思い出す」なら大脳側頭葉、「体を動かす」なら小脳だと言われており、これらが複合的に絡まることで脳の活性化に繋がるのです。

他者とコミュニケーションが図れる

コミュニケーション不足は、認知症が進行する原因の一つです。とくに1人で過ごすことの多い高齢者の方は、誰とも話さない日があることも珍しくありません。

しかし、対戦相手がいるゲームや、みんなで参加するゲームでは、自然と他者との交流の機会が生まれるため、認知症予防にはとてもおすすめなのです。

コミュニケーションを図ることは、話す・聞く・理解するなどが必要となり、脳への良い刺激になります。さらに人と過ごすことで、孤独感や不安の解消、前向きな気持ちになりやすいといったメリットもあるでしょう。

生活にメリハリが出る

単調な日々を過ごす認知症・高齢者の方にとって、ゲームをすることは日常にメリハリを持たせる役割がありす。

ゲームと一言に言っても、脳トレになるもの、体を動かすものなど様々あるので、飽きることなくゲームを続けることができます。

また、ゲームで得られる達成感や満足感は、普段の生活ではあまり味わえません。「またやりたい」「次は違うゲームもしてみたい」「次は勝ちたい」といった意欲が自然と湧きやすくなり、この意欲こそが生活をイキイキと輝かせる種になるのです。

このようにゲームを通してメリハリのある生活を送っていると、どんどん前向きになることで言葉が出てくるようになったり、怒りっぽい性格が落ち着くなど、認知症の進行が緩やかになるケースも少なくないでしょう。

認知症の予防におすすめのゲーム8選

認知症におすすめのゲーム8選

ここからは、認知症の予防に効果的なゲームを「みんなで楽しめるゲーム」と「1人で楽しむゲーム」の2パターンに分けて紹介します。認知症の方の性格や興味に合わせて、どんなゲームが良いか一緒に見つけてあげましょう。

対戦・交流が楽しめるゲーム5つ

対戦・交流が楽しめるゲームの最大のメリットは、ゲームを通じて会話が弾み、コミュニケーションに繋がること。そんな複数人で楽しめるゲームには、次のようなものがおすすめです。

  • トランプゲーム
  • 連想ゲーム
  • 伝言ゲーム
  • 風船バレー
  • ティッシュあおぎ

トランプゲーム

トランプさえあればできるゲームで、家庭でも施設でもすぐに取り入れられます。

ルールがシンプルな神経衰弱やババ抜きであれば気軽に楽しめますし、七並べやスピードのような戦略性や反射神経が必要なゲームもあって飽きがきません。

また、ゲーム内容によって「脳を使う」「人とコミュニケーションをとる」「手先をよく動かす」といった要素が含まれるため、トランプは認知症予防に非常におすすめのゲームだと言えるでしょう。

連想ゲーム

ひとつのお題から様々なことを連想するゲームで、想像力や発想力が鍛えられます。

例えば、「レモンといえば?→すっぱい→すっぱいといえば?→梅干し→梅干しといえば?→赤い→赤いといえば?→リンゴ→リンゴといえば?→果物→果物といえば?→バナナ」というように、最終的に「バナナ」に辿り着くように連想していきます。

これなら参加者が数名いれば十分に楽しめますし、自分が考えた答えと違った内容に「そんな発想もあったか!」と気付きが増えて、脳への刺激にも繋がります。

伝言ゲーム

チームごとに伝言する言葉を変えて、最終的にどこのチームが正しく伝えられたかを競い合うゲームです。言葉やフレーズを「正確に聞き取る・覚える・伝える」力が鍛えられるため、集中力が高まり、脳への良い刺激となります。

このゲームの面白いところは、最後の人まで間違えずに伝わったと思ったら、「とんでもない内容に変わっていた!」とみんなで大笑いできる点ではないでしょうか。

「笑い」は脳にとってとても良い刺激になるほか、充実感や安心感、孤独感の解消など様々な良い影響をもたらします。

ただし、認知症や高齢者の方は耳が聞こえにくいことも多いので、そんな時は糸電話を使って行うなど工夫をしましょう。

風船バレー

風船をボールに見立てて、床に落とさないよう参加者みんなで打ち合うゲームです。風船の行方を目で追うため、動体視力や物の位置を把握する力が鍛えられます。

また、認知症の方の中には会話によるコミュニケーションが難しい人もいますが、風船バレーなら会話ができなくても非言語コミュニケーションによって交流が図れるというメリットがあります。

例えば、誰かが風船を打ち返す際に「よいしょ!」という言葉を言い、自分もそれにつられて同じように言ってしまうこともあるでしょう。また、飛んできた風船は誰かから打たれたものという意識があることから、会話がなくても「人と交流している」と感じられますよね。

このように、非言語コミュニケーションによる交流があることで、会話が難しい認知症の方でも楽しめるゲームだと言えるでしょう。

ティッシュあおぎゲーム

2チームに分かれてティッシュを団扇であおぎ、相手の陣地にティッシュを送るというゲームです。手や腕、肩甲骨を動かしたり、ティッシュの動きを目で追うことが脳への良い刺激になります。

また、グループ戦なので、自分たちの陣地にティッシュが入らないよう協力し合ったり、ゲーム開始前に作戦会議をして盛り上がるなど、コミュニケーションの促進にも非常に効果的だと言えるでしょう。

個人で楽しめるゲーム3つ

1人でも楽しめるゲームには脳トレ系が多く、本やスマホのアプリを使って簡単にできます。そして最大のメリットは、好きなタイミングでゲームができるという点。ここでは、10分あれば楽しめる手軽なゲームを紹介します。

  • パズルゲーム
  • 漢字の穴埋めゲーム
  • 都道府県ゲーム

パズルゲーム

完成形を予想しながらピースを当てはめていくパズルゲームでは、記憶力や推理力が鍛えられます。

パズルの穴を埋めたいところに当てはまりそうなピースを探したり、選んだピースを手に取って任意の場所にはめていくという動作には、色や図形の識別、空間把握などが伴って行われます。

さらに小さなピースをつかむために指先をよくつかうことになりますが、指先は第二の脳とも言われるほど脳の活性化に関係しています。

そのためパズルを楽しむことは、脳にとって非常に良い刺激になり、認知症予防への高い効果が期待できるのです。

また、パズルには簡単なものから難しいものまで様々な難易度があるので、一つのパズルが完成しても徐々に難易度をあげていけば長く楽しめることでしょう。

漢字の穴埋めゲーム

漢字の穴埋めゲームは、穴に正しい漢字を入れて、縦から読んでも横から読んでも意味の通じる二字熟語を完成させるゲームです。

例えば、「元□/人□/□温/□合」だと、四角に入る漢字は「気」(元気/人気/気温/気合)ですね。

初めから4つ以上の二字熟語を考えるのは難しいかもしれないので、慣れるまでは2つから始めるとよいでしょう。

このゲームを繰り返し行えば、記憶力と想像力が鍛えられるため、認知症予防の効果が期待できます。

都道府県クイズゲーム

観光地や特産物など、いくつかのヒントを手がかりに、正解の都道府県を導き出すクイズゲームです。記憶力や連想力のトレーニングが行えます。

例えば、ヒントが「日本一長い商店街がある/過去には天下の台所と言われていた/お笑いの聖地として知られている」だとすると、答えは「大阪」ですね。

正解を導き出すまでに、自分の記憶を辿ったり、「お笑いと言えば…?」と連想すると思うのですが、この時に脳が活性化されます。

また、昔に聞いたこと・見たことを思い出すという行為自体が、懐かしい気持ちになったり、安心感に繋がるため、認知症の予防に効果的だと言われるのです。

認知症予防のゲームを選ぶポイント

認知症予防のゲームを選ぶポイント

ゲームの効果を最大限引き出すためには、認知症の方それぞれにあったゲームを選ぶことが大切です。ここでは、認知症予防のためのゲームを選ぶ際に押さえておきたいポイントを2つ紹介します。

選ぶポイント1:楽しく続けられるかどうか

認知症を予防したり、進行を遅らせるためには、継続的に脳を刺激することが必要不可欠です。認知症の方本人が「楽しい」「またやりたい」と思えるようなゲームを見つけて、毎日あるいは週に数回、コツコツと続けなければ意味がありません。

まずは、本人が楽しく続けられるよう、初めのうちは一緒にゲームをして、ゲームそのものに慣れてもらうところから始めてみましょう。

そしてゲームをする中で、「このゲームの時は表情が明るい、負けず嫌いになっている」などが読み取れれば、状況に応じてルールを少し変えてみるのもおすすめです。

そうすれば、もう少し難しいルールの方が楽しそうなのか、立ったままだと疲れやすいのかなどが見えてくるはずですよ。

時間はかかるかもしれませんが一緒にお気に入りのゲームを見つけてあげてくださいね。

選ぶポイント2:本人の趣味に合っているかどうか

認知症の予防に効果的だからといって、ご家族や介護職員の方が無理におすすめしても、本人が興味を持ってゲームをしていなければ負担になってしまいます。

「無理やりやらされている」というストレスを感じてしまうことで、本当は少し興味のあるゲームであってもマイナスの感情が勝ってしまい、「もうゲームは何もしたくない」とさえなるかもしれません。

もちろん一番良いのは、認知症の方本人が自分から進んで様々なゲームを試して、興味のあるものを見つけてくれることですが、認知症の方の多くは「新しいことに挑戦したい」という意欲が低いため、周りの方が一緒になって探してあげるのがベストでしょう。

そしてゲームを探す時は、日頃からどんなことに興味関心があるのかを観察しておくことが大切です。興味のないことは「やってみようかな」となりにくいので、事前調査は欠かさずにしておきましょう。

認知症の方がゲームを行う際の注意点

認知症の方がゲームを行う際の注意点

最後に、認知症の方がゲームをする際に気をつけるべき注意点を紹介します。認知症予防の効果を最大限引き出すためにも、必ずチェックしておきましょう。

無理をさせない

どれだけ認知症に効果のあるゲームだとしても、本人が乗り気でなかったり、体調がすぐれない時は無理にやらせないでください。

とくにチーム戦で行うゲームでは、無理に参加させると、怪我や揉め事に発展してしまう恐れもあります。そうなってしまえば、参加者全員にとって嫌な記憶として残り、ゲームに参加しなくなる方も出てくるでしょう。

ゲームはあくまでも楽しんでもらうことが目的なので、認知症の方の様子を見ながら参加してもらうよう注意が必要です。

ゲームをする時間を決める

あまりにも長い時間ゲームをしたり、ゲームに参加すると、心身に疲れが溜まってしまい、体調を崩す方も出てくるかもしれません。

とくにスマホのアプリで行うゲームの場合は、1人で没頭しやすいので、気がつけば何時間もゲームに夢中になっていた…ということもあり得ます。中には自室にこもってゲームをする人もいるでしょう。それはそれで、他者との交流が減ってしまうため、認知症予防の観点からするとあまり良い環境ではないと言えそうです。

また、ゲームのやりすぎは、視力低下や頭痛の原因にもなります。1日10分〜30分を目安に時間を決めて行うようにしてください。

認知症の予防には脳が活性化されるゲームを取り入れよう!

認知症の予防や進行を遅らせることを目的として行われるゲームには、脳トレや身体を動かすもの、チーム戦や個人プレイで楽しむものなど、たくさんあります。 認知症の方の好みや体調、その日の気分に合わせて、楽しめるゲームを取り入れましょう。

私たち日本保健福祉ネイリスト協会では、2012年の活動開始以来、福祉ネイルという美容を通じて、高齢者の方々が輝きある日々を送れるようサポートしてきました。

福祉ネイルはゲーム同様に、脳の活性化やコミュニケーションの促進に繋がると考えており、認知症予防にも効果的だと感じております。

実際にネイルをされたご利用者様の中には、きれいに彩られた爪を見て気持ちが前向きになったり、福祉ネイリストとの交流を通して会話がスムーズになった方も多くいらっしゃいます。

また、当協会が提供する福祉ネイリストスクールでは、認知症の種類や接し方のコツを学ぶ時間も設けるなど、1人でも多くのご利用者様が今よりも幸せに過ごせるよう、福祉ネイリストの育成にも力を入れております。

「施設に美容サービスを導入したい」とお考えの際は、ぜひ日本保健福祉ネイリスト協会にご相談ください。

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