折川 遥さん(福祉ネイリストスタンダードコース修了)
千葉県千葉市/東京都江戸川区を中心に活動中
私は普段、作業療法士として回復期の病院で働いています。
元々認知症や地域の活動に興味があったことと、病院内で化粧療法を実施していたこともあり、院内のスタッフから認知症の家族会イベントで福祉ネイルというものをやりますとお話を聞いたときは、病院での活動にも生かせるかもと思い、是非見学に行かせてほしいとお願いしました。
家族会では、ハンドトリートメントを実施しており、施術を受けた患者様が「とっても気持ちよい、贅沢ね」と、とびきりの笑顔を見せて下さったのが印象的でした。
また、その後患者様にご家族がハンドトリートメントを実施する場面があり、普段は認知症の方への対応について困っていたとお話されていたご家族も、手を触れることでお互いに自然と笑顔がこぼれていて患者様もご家族も穏やかでとても素敵な表情をされていました。
病院内で見ている認知症患者様は、落ち着いている方もいれば帰宅願望や不安を口にする方、入院している状況も理解できず暴言や暴力、徘徊してしまう、死にたいといった発言をされることもあります。リハビリの時間にご本人の本心を聞くことが出来ることもありますが、そこからもう一歩患者様の安心や笑顔で生活できる何かに繋げられたら、生きる楽しみや活力になればそんな風に感じていました。
福祉ネイルでは、1対1で会話をすることができ、何より手に触れるということから物理的な距離感も近くなり、話しやすく普段持っている不安やネガティブな感情から一時でも離れることが出来るのではないかと感じました。
ネイルのカラーやアートを終えた後の表情、他の人に褒められた時に生まれる他者とのコミュニケーション、褒められるというその体験自体が社会とつながっているという感覚や生きる楽しみになると考えます。
今後は、まず院内でのレクリエーションの様な形で患者さん同士、患者さんスタッフでハンドトリートメント(まずは手を触る、お話をする)といったところからスタートしたいと考えています。化粧療法と並行し、患者様のリハビリのやる気、ADL向上、退院後の社会参加を促せる一助になればと思います。また、片麻痺患者や自分の体へ注意が向かない、痛みで「こんな手いらない」と言っている方に指1本でもネイルをして、自分の大事な体の1部であること、優しくさすってあげよう、かわいから見える位置に置いておこうと思ってもらい、麻痺側の生活での参加を促せるようにしたいというのも密かな私の野望です。
院内活動はもちろんですが、地域での認知症患者様とその家族に対しての活動も是非関わっていきたいと考えています。地域活動では、ネイル+化粧で私が行っている2つのことをどちらもちょうどよい形で紹介していけたら良いなと思います。
認知症に悩む患者様、そのご家族、ケアをするスタッフなど関わる全ての人が笑顔になれる様なそんな関わり、活動をしていけるような福祉ネイリストになれるよう努力していこうと思います。
